【裁判傍聴】PCR検査の補助金詐欺事件を見てきた−リーガルライターの日常−

こんにちは。リーガルライターの法崎ゆい(ほうさきゆい)です。

リーガルライターとして、勉強や情報収集のために裁判傍聴に行くので、少しずつブログとして記録していきます。

ただし、私は刑事事件について書くことが多いので刑事事件の傍聴記録を書くことになるた、め、読んでいて気持ちがざわつく方も多いのではないかと思います。苦手な話題のときは、無理せず読まないという選択をしてくださいね。

今回見てきたのは、補助金詐欺に関する刑事事件です。


裁判傍聴で見た、補助金詐欺の実態

今回傍聴したのは、PCR検査に関する補助金を不正に受け取ったとして起訴された詐欺事件です。

たとえば、東京都であれば「PCR等検査無料化事業補助金交付決定の取消し等について」というページで交付取り消しの事例が公開されていたりしますが、このページを見てもわかるように、補助金詐欺ってけっこうあるんですね。

発覚していないものも含めれば、どれほどの金額が不正に受け取られているのかとモヤモヤしますよね。


この事件の被告人は、もともと接骨院を経営していて、いくつかの店舗展開をしていたそうです。うまくいっていたんだけど、コロナ禍で経営が傾いたようで……。そんなとき、被告人は友人から誘われて、グループでPCR検査に関する補助金を騙し取る詐欺に加担することにしたそうです。

初期投資として自ら1000万円以上を費やし、都道府県から実際に交付されたのは数億円。でも、そのほとんどが誘ってきた友人たちの手に渡り、被告人の手元に入ったのはたった600万円だったそうです。

そして今、詐欺の罪で起訴されてすでに都道府県には2000万円を弁償しているとのこと!

え、完全に大赤字ですよね……。

数億円を手にした仲間たちが今どうしているのか、裁判では触れられていませんでした。捜査はされているとは思いますが、起訴されたのか、これから起訴されるのかなどはわかりませんでした。

傍聴していて、被告人が仲間にもいいように使われていたような印象を受けて、なんともやるせない気持ちになりました。


よみがえった自分自身の記憶

私としては、この事件を傍聴していて、自分自身が詐欺に巻き込まれそうになった体験を思い出しました。

コロナ禍、アート事業のサポートをするお仕事の依頼があったのですが、当時、自治体がアートイベントをおこなう団体に対して数百万円の補助金を交付する制度がありました。その補助金の交付を受けるには、事前に事業計画や見積もり書を提出して、終了後には領収書や請求書を出す必要がありました。

しかし、アートイベントの主催者は、実際には使っていない経費で水増し請求をして補助金を受け取っていたんです。


たとえば、彼は、次のようなことをしていました。

知り合いの経営者に100万円分の仕事を発注したように見せかけて、実費10万円の作業をしてもらう→100万円分の請求書や領収書を発行してもらう→その見返りとして30万円をその経営者に渡して70万円を主催者が受け取る


こういった流れが、イベント関係者との話のなかで明らかになり、私は詐欺まがいの補助金で支払いを受けることはできないと考え、仕事を途中で降りました

それまでにおこなった仕事に対しても支払いを受けていません。不条理な世の中です!

そのときは、弁護士さんへの依頼はしませんでした。受け取れるであろう報酬よりも弁護士費用のほうが高くなるレベルだったからです。いわば泣き寝入り的に終了したのでした。

補助金を交付していた自治体の団体には事実を伝えましたが、そのあと調査されたのかどうかはわかりません。


裁判にならなくとも信用は失われる

今回傍聴した裁判の被告人もそうですし、アート事業の主催者も、1度だけでなく何度も同じようなことをくり返していたようです。

アート事業の主催者に関しては、直接的な司法の制裁は受けていないかもしれませんが、共通の知人数名から「関わらないほうがいいよ」「関係を断ち切ってよかったよ」といわれました。周りからの信用はすでに失われていたんですね。

そういうことをしていると、いずれ似たような価値観を持った人たちしか集まらなくなって、PCR詐欺の被告人のように、いつかは法的責任を問われる日が来るのではないかと、私は思っています。

もはや願っています!^^


おわりに

今回は、補助金詐欺に関する裁判の傍聴記録と、それに関連して思い出した自身の過去の体験について書きました。

こういったテーマは読むのにも少し体力が必要かもしれません。でも、実際にこういうことが起きていると知っておくことで、トラブルを避けることができたり、スムーズな解決に向かえたりする方もきっといると思います。

誠実に生きている人たちが報われる社会でありますように!