会社名を変えるには?商号変更の手続きと注意点
こんにちは。法崎ゆいです。私はフリーランスのリーガルライター(法律ライター)をしています。
会社の名前を変えるとき、どんな手続きが必要なのか、どんなことに気をつければいいのか、意外とわからない方も多いのではないでしょうか。
多くの方が経験することではないかもしれませんが、「事業の方向性を変えたい」「リブランディングがしたい」など、さまざまな理由で商号変更を検討する方もいると思います。
実は、私自身も実際に商号変更を経験しています。自社の場合は、社名に紐づくメイン事業を譲渡したため、譲渡先とインターネット上などで競合してしまわないように、社名を変更しました。
ということで、自分の経験&リーガルライターのお仕事や会社法を学ぶなかで得た知識から、会社名を変える手続きや注意点を解説します。
商号変更の基本知識と流れ
会社名のことを、法律上、商号といいます。つまり法人登記されている正式な社名のことです。商号は基本的に、自由に変更できます。
まずは、変更の流れを見ていきましょう。
1.株主総会や取締役会での決議
私は1人社員の会社を経営していたので、取締役会や株主総会のような形式的な会議は必要ありませんでした。けれど、1人会社でも、株主総会決議書または株主総会議事録という形式的な書類は作成しなければなりません。登記の申請時に添付しなければならないからです。
私のときは株主総会議事録をつけたはずです。しっかり覚えていないのですが、とくに司法書士の先生に依頼せず、法務局に相談をして窓口の方のアドバイスにしたがって変更できたという記憶があります。
実際、中小企業やスタートアップは取締役会を設置していないですし、取締役も少ないので株主総会議事録をさくっと作成してわりと簡単に変更できると言われています。
取締役会を設置している株式会社の場合は、取締役会での決議と株主総会での特別決議が必要で、その結果として株主総会決議書などを作成する必要があります。
そもそも取締役会の設置が義務となっているのは、上場会社・資本金5億円以上などの大きな会社・監査役会設置会社などです。
2.定款の変更
商号は定款に記載すべきものです。
定款というのは、会社を経営するにあたって作らなければならない基本ルールをまとめたものです。法務局で登記するときや法人の銀行口座を開設するときなど、さまざまなときに提出する必要があります。
会社名を変えるときは定款も変更しなければなりません。
定款変更には株主総会の特別決議で出席した株主の3分の2以上の賛成が必要です。でも、1人や数名の株主で構成されている小さな会社なら、賛成を得るこの手続きも簡単ですよね。
定款変更の申請書は、法務局の公式サイトや窓口で入手できます。私の場合は、東京法務局の渋谷出張所の窓口で書き方を教えてもらいながら作成しました!
3.法務局での変更登記
申請書ができあがったら、管轄の法務局に提出します。登録免許税として3万円が必要です。これは、株式会社の場合も合同会社の場合も同じです。
申請書のほかにも、次のようなものが必要です。
・株主総会議事録
・株主リスト
・印鑑届書
・代表取締役の印鑑証明書
弁護士や司法書士などの代理人に手続きを依頼するときは、委任状も必要です。
具体的に自社の場合は何が必要なのか弁護士や司法書士などの専門家や、法務局に直接問い合わせてみましょう。
手続きは郵送でも可能ですが、不備があると差し戻しになるので、窓口で確認して提出するのがおすすめです。
会社名を変更するにあたっての注意点
商号は基本的に、自由に変更できます。ただし、法律上の制約や手続きがあるので、何でも自由に名乗ってよいというわけではありません。
会社法上、同一住所に同一商号の会社を設立したり登記したりすることはできません。なかなかあり得ないかもしれませんが、申請したい住所の同じビル内の同じ名前の会社がないか確認しましょう。部屋番号が違えば大丈夫のようですが、いずれにしてもややこしいので避けたほうがいいと思います。
また、不正の目的で有名企業などと同じような会社名を使うことはできません。不正目的ではないとしても、それを証明するのはむずかしいので、基本的には異なる商号を使うほうがよいと思います。ただし、これも事業の目的によって決めるべきなので、具体的には弁護士さんに相談するのがおすすめです。
法務局以外にも申請や変更すべきところがある
注意点の続きともいえますが、社名変更をすると、登記以外にも申請や変更すべきものがあるので、そのためのリソースやコストも想定しておくべきかなと思います。
たとえば、次のような申請や変更が必要です。
・税務署への異動届出書
・都道府県税事務所や市区町村役場への届出
・年金事務所への届出
・法人名義の銀行口座の変更
・取引先への変更連絡・名刺や会社ロゴの変更
・ウェブサイトの修正
・新商号での印鑑の作り直し
まとめ
商号変更は、周囲への影響だけでなく、予想外の手続きやコストが発生することもあるので、しっかり計画を立てておこなうことが大切です。
といいつつ、自分自身が計画的に商号変更をしたというわけではなく、事業譲渡に伴ってバタバタと進めたので、なんともいえません。笑
1人会社なら法務局に相談すれば、十分アドバイスやサポートが受けられるので、法律事務所に依頼する必要もないかもしれません。私も自分でおこないましたから。
でも、規模によっては株主総会や取締役会などが必要で、そのほかの手続きも大変ですし、クライアントへの連絡も大変です。そのため、ややこしいなと感じたら、もう、弁護士さんや司法書士さんに相談するほうがよいと思います!
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