【行政書士試験対策】行政救済法③ 審査請求の審理手続きについて|法律資格の勉強シリーズ・行政法

こんにちは。リーガルライターの法崎ゆい(ほうさきゆい)です。現在、行政書士の資格取得のために勉強をしています。このシリーズでは、記事化しながら勉強していきます。

同じく行政書士試験にチャレンジしようと考えている方や、まさに勉強をしている方の復習ににもお役に立てれば幸いです。

今回は、行政救済法③として、行政不服審査法の審査請求の続きです。審査請求の審理手続きについて書いていきます。


審査請求をするには、まず審査請求書を提出

審査請求をおこなうには審査請求書を提出する必要があります。提出先は審査庁です。審査庁とは処分を下した行政庁のうえの最上級行政庁のことです。


処分についての審査請求の場合、審査請求書に書くことは次のとおりです。

・審査請求人の氏名や住所
・審査請求にかかる処分の内容

・処分があったことを知った年月日
・審査請求の年月日
・審査請求の趣旨や理由
・処分庁からの教示の有無や内容

なかでも「処分庁からの教示の有無や内容」というのは、不服があれば申し立てができるということを処分庁から教えてもらっていたかと、「〇〇庁に対して、14日以内に不服申立てができます」などどんなふうに教えてもらっていたかということです。


不作為についての審査請求の場合、審査請求書に書くことは次のとおりです。

・審査請求人の氏名や住所
・不作為にかかる処分の申請内容と申請した年月日
・審査請求の年月日

不作為とは「やるべきことをしてくれないこと」です。

たとえば、飲食店の営業許可を出してほしいから許可申請しているのに、行政庁がぜんぜん返事をくれないようなときがあてはまります。


なお、基本的には審査請求は書面のみでおこなうものですが、審査請求人や参加人が申し立てたときは口頭での意見陳述をおこなうことが可能です。

ちなみに参加人というのは、査請求の結果が自分に影響を与える可能性がある第三者で、審理手続きへの参加が認められた人のことです。


審査をするのは、審理員

審査をするのは審理員です。審理員は、審査請求をされた行政庁つまり審査庁が、所属する職員のなかから指名します。

基本的に、関係する法律についての専門知識や経験がある人が選ばれると考えてよいでしょう。

そもそも審査請求がなされる原因となった処分に関係した人や利害関係人が審理員になることはできません。そのため、客観的に審査をしてもらうことができると考えて大丈夫です。

審理員が決まると、審査請求をおこなった人や処分庁にその旨が通知されます。


ちなみに審査庁となりえる行政庁は、審理員の候補者名簿を作成する努力義務を負っています。

努力義務であるため必ずしも作成しなければならないわけではありませんが、作成したときはこれを公にしておく必要があります。各省庁や自治体の公式サイトで公開したり、庁舎内で誰もがいつでも見られる閲覧場所に置いておいたりする必要があるのです。

審理員候補者名簿を作成した場合はその名簿に書かれている人の中から審理員を指名しなければいけません。


このあたりは、試験に出やすそうです。どういうことは義務で、どういうことは努力義務(=必ずやる必要はない)だとか、作らなくてもいいけれど作ったなら公開してねというようなことはきちんと覚えないといけないですね……!


審理員がやること・できること

審理員はまず、処分庁などに対して弁明書を提出するように求めます。提出があれば審査請求人や参加人にそれを送付し、その弁明書に対して審査請求人は反論書を、参加人は意見書を、提出することができます。

これらを踏まえて、審理をするんですね。


また、審理員の権限として次の4つのことが可能です。

・関係する書類などを持っている人に提出を求め、期間を定めて借りる
・必要な人に参考人として事実の陳述を求めたり鑑定を求めたりする
・必要な場所の検証をする
・審理関係人を召集して意見を聴取する


ちなみに、審理関係人というのは、次のような人たちです。

・不服申立てをした本人、つまり審査請求人
・利害関係がるとして審理への参加を認められた第三者、つまり参加人
・審査請求の対象となる処分をおこなった行政庁、つまり処分庁


審理員はこれらのことを経て、必要な審理が終わったと認めたら審理手続きを終了にします。審理手続が終結したら、審理員意見書を作成して、審査庁がなすべき裁決をそこに記載し事件記録とともに審査庁に提出します。


裁決をするのは審理員ではなく審査庁

審査請求に関する結論は裁決と呼ばれます。裁決は3種類あり、却下・棄却・認容です。

審査庁は、審理員意見書を受け取っても、それだけを元に最終結論を出すことはできません原則として行政不服審査会等に諮問しなければならないのです。

なかなか工程が多くて、大変そうですね……。


諮問とは、簡単にいうと意見を求めることです。行政不服審査会等に諮問し、答申を受けたら裁決をします。

行政不服審査会というのは、総務省に設置されている委員9人の機関です。審査庁の判断が妥当性かどうかをチェックする役割を持っています。

行政不服審査会ではなく、地方公共団体におかれている機関へ諮問するケースもあるので、行政不服審査会「等」への諮問という記載になっています。


まとめ

次回の同シリーズでは、裁決の3種類の内容についてからはじめて、引き続き審査請求について書いていきます。