借金は減らせる!?法的に正しく減額する方法をリーガルライターが解説

借金で苦しい……という声を身近では聞くことがなかったとしても、実は、苦しんでいる方はめちゃくちゃ多いものです。


ちょっとしんみりするかもしれないお話からはじめてしまうので、読みたくない方はリード文を飛ばしてくださいね。実は私の母方の祖父が会社経営者でとても成功していたそうなのですが、あるときから事業がうまくいかなくなってしまったようです。そして、彼は借金苦で自ら亡くなってしまったという話を母から聞いていました。母が10代のころのことでした。なので、私は、母方の祖父に会えたことがないんです。


もちろん借りたお金は返すのが道徳的にも、法的にも、重要ではあります。

でも一方で、リボ払いなどで高い利息を支払っていて、借りた以上のかなりの金額を払い続けているにもかかわらず、いつまでも減らないということもあり、大変な想いをしている方はたくさんいます。

返すことは大切ですが、借金苦で、もうつらい……という方には、法的に正しい方法で減額や免除ができるということも、知っておいてほしいと思います。

いまどのような状況だとしても、いざというときの救済措置がちゃんとあるので、諦めないでくださいね。


法的に正しい、代表的な3つの借金減額方法

法的に正しく借金を減額する方法にはさまざまなものがあります。次の3つが代表的です。

・任意整理
・個人再生
・自己破産

これらの手続きをまとめて債務整理借金減額制度と呼ばれることがあります。法的には、個人再生と自己破産の2つを債務整理と言います。

いずれにしても上記3つは合法的に借金を減額する方法なので、借金が増えてもうどうしようもないという方は安心して利用してくださいね。

それぞれがどういうものか、解説していきます。


1.任意整理

任意整理は、お金を貸してもらっている企業と直接交渉をすることで借金の総額を減らしてもらう方法です。

減らしてもらうといっても、借りた金額そのものを減らせるわけではありません。通常は、今後の利息と今までの遅延損害金を減らしてもらうことになります。

そうはいっても、任意整理の場合は裁判所に申し立てをするわけではありません。つまり、裁判所から貸金業者に「これだけ減らしてあげなさい」という命令が下るわけではないのです。

そのため、どれくらい減額してもらえるかはお金を貸してくれた企業によります。


また、利息と遅延損害金を減らしてもらうだけでは月々の返済負担はあまり軽くならないので、返済期間を延長してもらうことも交渉します。それによって、毎月返す額を少なくしてもらうんです。

任意整理は本人が申し出ても応じてもらえないことが多いので、弁護士や司法書士に依頼するのがよいでしょう。


<任意整理が向いているケース>

・借金総額が100万円〜300万円程度
・月々の返済が5〜6万円
・借金をした業者が2〜3社程度
・返済期間を延長しても3年程度で完済できる
・使い続けたいクレジットカードがある


2.個人再生

個人再生は、民事再生法に基づいて裁判所に申し立てて許可が得られれば、借金を5分の1から10分の1程度に減額できる方法です。

法的な手続きであるため、法的な知識が欠かせません。準備書類も非常に多く、自分でおこなうのはほぼ不可能と言えそうです。そのため、裁判所は弁護士に依頼するようすすめています。


借金を減らさないと返済の目途が立たず、生活もままならないという方は個人再生の利用を検討することになります。ただし、継続的に安定した収入が入ってくる予定の方でなければ認められません。そのため、会社に勤務していたり、公務員だったりすれば、認められやすいです。


個人再生は、住宅ローンについてはそのまま支払い続けることを条件に、マイホームを残したまま借金を減額できるのが特徴です。自己破産ではそうはいきません。


<任意整理が向いているケース>

・借金を返済するのはほとんど不可能=生活が立ちゆかなくなりそう

・住宅ローン以外の借金が100万円以上5,000万円以下

・マイホームや車を手放したくない

・安定した収入が入るお仕事をしている


3. 自己破産

自己破産は、債務整理のなかでも聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。

これも裁判所に申し立てる制度なのですが、個人再生とちがって、認められれば基本的に借金の返済を全額免除してもらうことができます。

多額の借金があるのに安定した収入がない方は自己破産を選ぶことになるでしょう。


借金全部を支払わなくてもよくなるというのは、めちゃくちゃ大きな効果ですよね!そのため、ある程度厳しい条件をクリアしないと認められません。確実に自己破産を進めるためには、必ず弁護士さんに相談してくださいね。

そして、自己破産では、借金が免除される代わりに家や車や時計などの財産は引き渡さなければなりません。それでも自己破産を選ぶべきかどうかについても、弁護士さんからのアドバイスを受けてください。


<自己破産が向いているケース>
・すでに返済がかなり滞っている
・取り立てに悩んでいる
・安定して得られる収入がない

・プラスの財産を引き渡しても借金を免除してほしい


借金を減額するにあたって、気をつけること

債務整理をするのには、もちろんデメリットもあります。

1つめは、ブラックリストです。今回紹介したどの手続きでも信用情報機関に債務整理をした記録が登録されます。そのため、数年間はクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりするのが難しくなります


2つめは、個人再生&自己破産では、免責不許可事由にあたる行為というのがあります。これがあると、借金を減額・免除してもらえない可能性があるんです。具体的には、浪費・ギャンブル・財産を隠しているなどです。

とはいえ、債務整理を専門にしている法律事務所によると、実務上、ある程度のギャンブルなどは許してもらえるケースも少なくないとのことです。

なので、「自分はギャンブルで多額の借金をしてしまったからもう無理なんだ」と諦めてしまわず、まずは債務整理に注力している法律事務所に相談してみてくださいね。


それから、債務整理を、資格なく代行するような悪質な業者もあるみたいです。借金減額シミュレーターなどの広告からそのような業者にあたってしまうこともありえます。きちんと信頼できそうな法律事務所かどうかを調べたうえで、相談してください。


まとめ

お金は、借りたからには返さなければなりません。それは道徳的にも当然のことですし、法律上も契約内容を履行するのは重要なことです。

でも、利息をたくさん支払っていてすでに貸金業者にはプラスが出ていることもありますし、リボ払いなどであまりに高い利息に苦しめられる方も少なくありません。

何より、借金が増えすぎたことで生活が困難になったり、精神的に追い詰められたりと、あまりに苦しい状態にあるなら、無理をしすぎる必要もないと思います。

追い詰められてしまわないように、救済措置として国が用意してくれているのが債務整理なわけです。反省をして、生活を立て直し生きていくためのきっかけとして、これらの制度を利用するのはぜんぜん悪いことではありません

まずは、弁護士さんに相談してみてくださいね。