【裁判傍聴】お小遣い稼ぎのはずが不同意性交等罪事件に−リーガルライターの日常−
こんにちは。リーガルライターの法崎ゆい(ほうさきゆい)です。
リーガルライターとして、勉強や情報収集のために裁判傍聴に行くので、少しずつブログとして記録していきます。
今回は、不同意性交等罪と道路交通法違反で起訴された被告人の裁判です。
はじめに
まず、私は刑事事件について書くことが多いので、苦手な話題のときは無理せず、読まないようにしてもらいたいと思っています。
とくに今回は不同意性交等罪という、刑事事件のなかでも一際センシティブなテーマです。体感を伴うようなもので、被害に遭ったことがある方にとってはトラウマを誘発しかねません。
私自身は、それなりに耐性があるほうです。
これまでリーガルライターとして性犯罪についても何度も記事にしてきましたし、また、性的な被害を受けた友人から話を聞いたこともあります。
さらに、自分自身もかつて同意のない性的な行為に巻き込まれそうになった経験があります。私の場合は、ほかの深刻な事例と比べればかなり軽いほうですが、それでも何年も引きずるトラウマ的な経験になっていたので、それを思うと、同じような被害に遭った方の苦しみは計り知れません。
危機に直面した経験がない方でも、多くの方にとって、こうした話を聞くこと自体が強い不快感や不安感を伴うものだと思います。
実際、私の前列で傍聴していた夫婦っぽい方々のうち女性が、裁判中に何度も小さな声で「えっ」「キモい」「最悪……」といった言葉を漏らしていたのが印象に残っています。
ストレスを感じたら、途中で読むのをやめてくださいね。
事件概要と裁判の雰囲気
今回傍聴した事件の発端は、被告人と女性がインターネット上で下着の売買を約束したことだったようです。
被告人と女性は直接下着を売り買いする約束をし、当日、被告人の車内で下着を受け取ったのち、被告人から女性に対して口腔性交を求めたという内容でした。
被告人の供述によると、物理的に力づくで強要したわけではなかったと話していましたが、心理的に抵抗できない状況に追い込むことも、もちろん、強要であり同意の上のこととは言えません。
今回の検察官はけっこう厳しめ方で、大法廷の中で大きな声で「どうして約束をしていなかったのに口腔性交を求めたんですか!?」とか、「そもそも下着を購入するだけでなく口腔性交を求めるつもりだったのに、事前にそれを伝えなかったのはなぜですか!?」とか、激しく問い詰めていました。
言葉こそ正式なものですが、ある意味下ネタを真面目な顔で叫んでいるようにも思えて、不思議な感覚になります。汗 逆に、生々しさや怖さを浮き彫りにする気さえします。
性的同意のグレーゾーン?
驚いたのは、被告人が過去にも何人かの女性と同じようなやりとりをしていたという発言です。
しかも「すんなり応じてくれる女性が多かった」と話しており、あたかもそれが一種の“慣習”であるかのように語っていました。
下着を売る側にも“それ以上の行為があるかもしれない”という前提があるのでしょうか。噂で聞く、性的な行為があるかもしれないし、ないかもしれないマッサージ店みたいな感じ……?
下着の売買という“曖昧な商談”が、被告人にとっては性行為の期待を伴うものだったわけですよね。
もちろん、被告人の法廷での発言がすべて事実であるとは限りませんが、若い女性が軽い気持ちで知らない男性に下着を売り、それがより性的な行為への入り口になっているのだとしたら、すごく危険だなと思います。
被告人の事情について
ちなみに、被告人は厳しい取り調べのなかで一度は罪を認めたそうです。しかし、やはり相手方の女性が話したことがすべてではなく、自分には自分の事情があったということを主張していました。
そして、前任の弁護士が示談書を事前に見せてくれず、あとになって自分が認めるつもりのなかったような内容も示談書に書かれており、覆すことができずに困っていると主張していました。
本当かどうかはわかりませんが、一般論として、弁護士にもさまざまな人がいます。弁護士だからといって完全に信頼できるわけでもないし、テレパシーが使えるわけでもないので完璧に自分が考えている通りに動いてくれるわけでもありません。
自分に合う弁護士さんに依頼することって、ほんとうに大切です。
何より、被告人が法に反することを続けていたのは確かです。可能なのであればきちんと反省をして、拘禁刑になるのであれば罪を償って、そのあとは真っ当に生きてもらいたいですね……。
ちなみに不同意性交等罪の法定刑は5年以上の有期拘禁刑です。原則的には、執行猶予もつきません。
未来ある若い女性たちには、踏みとどまってほしい
私がもっとも強く思ったのは、女性たちに、そもそもこんなリスクの高いことをしてもらいたくないなということです。
お金が必要だからといって、下着を欲しがるような見知らぬ人と車内で会うような行為に出ることが、どれほど危険な選択なのかと考えると、踏みとどまってもらいたいですね。
短期的にはお金が稼げるとしても、その代償として心や身体に大きな傷を負うような危険性が高いわけです。
私は30代ですが、おそらくもっともっと若い10代〜20代前半の子たちであろうと思うので、まだまだいくらでもキャリアも人生も切り拓いていける年代ですし、ほんとうに無理をしないで欲しいなと願います。
怖い思い・気持ち悪さ・罪悪感が積み重なってしまうような稼ぎ方ではない方法を、見出してもらいたいですね……。
まとめ
だからといって自分に何ができるのかといえば、あまりに非力ですが、ブログとして残すことで、「ニュースの中のどこかの町で起こったお話」ではなく、現実に身近に起こっている事件として、気をつけていただくきっかけとかになればな、なんて思っています。
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