罰金と科料の違いは?−刑法・刑事事件をわかりやすく−
こんにちは。リーガルライターの法崎ゆい(ほうさきゆい)です。私は、ふだん法律に関する記事を書くお仕事をしています。
刑事事件について書くことが多いので、用語や犯罪などの基本を、ここでも少しずつ解説しています。
今回は「罰金と科料の違い」です。
罰金と科料の違い
罰金と科料は、支払わなければならない金額が違いますが、どちらも刑法が定めている刑罰です。財産刑という刑事罰の種類に分類されています。
・罰金(刑法第15条)…1万円以上の支払いを命じる刑事罰
・科料(刑法第17条)…1000円以上1万円未満の支払いを命じる刑事罰
罰金や科料になる犯罪は?
罰金は、犯罪によって上限が異なり、次のような犯罪をすると科される可能性があります。
・窃盗罪(50万円以下)
・傷害罪(50万円以下)
・公務執行妨害(50万円以下)
・過失傷害罪(30万円以下)
科料は1,000円以上1万円未満なので、比較的、軽めの犯罪に適用されます。たとえば次のような犯罪です。
・暴行罪
・侮辱罪
・公然わいせつ罪
・軽犯罪法違反
罰金も科料も前科がつく
罰金も科料も、科されるときは、裁判所から刑の言い渡しを受けている状態です。
刑事裁判を受けたり、刑事裁判よりも簡単な手続きである略式命令を受けたりして罰金や科料が決まります。そのため、拘禁刑(旧:懲役刑・禁錮刑)と同じく刑事罰であり、前科がつきます。
前科となると、警察や検察のデータベースに登録されます。また、自治体が作成している犯罪人名簿にも掲載されることになります。
とはいえ、犯罪人名簿は基本的に一般公開されるものではないので、万が一罰金や科料を科されてしまったときは、そこまで神経質に不安に思う必要はないかもしれません。
罰金刑の下限が下がることもある
罰金刑は原則1万円以上です。でも、状況によっては上限額も下限額も2分の1にすることができます。そのため、下限が5,000円まで減ることもあります。
2分の1にできるは、犯罪の情状に酌量すべきものがあるときです。
犯罪の情状に酌量すべきものというのは、たとえば初犯だったとか、被害がそこまで大きくないとか、綿密に計画していたわけではなかったとか、いろいろな事情です。
刑を減軽することができるのは、裁判所です。最終的には裁判所の判断で決まります。
まとめ
数万円の支払いで済めばラッキーだと考える被告人や、「刑罰にしては軽すぎる!」と憤る被害者もいるかもしれません。でも、罰金も科料も刑罰の一種なので、少額でも前科がつきます。
前科がつけば、犯罪をくり返してしまうとより重い刑罰が科されるなど、それなりの負荷はあるものなんです。
次の記事では、罰金の支払い方法や払えなかったらどうなるかについてご紹介します。
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