少年法ってどんな法律?−刑法・刑事事件をわかりやすく−

こんにちは。リーガルライターの法崎ゆいです。フリーランスで法律に関する記事を書くお仕事をしています。

刑事事件について書くことが多いのですが、なかでも関心が高いジャンルの1つに少年犯罪があります。

今回は、少年犯罪に関する法律である「少年法」について、どんな法律で、何のためにあるのかなど、基本をお伝えできればと思います。


少年法とは?

少年法は、20歳未満の若者が犯罪や非行をしたときに、どんな手続きや処分をするかを定めた法律です。

20歳未満の若者は、法律上「少年」と呼ばれ、ここには少女も含まれます。


2022年に成人年齢が18歳に引き下げられましたが、少年法上では18歳や19歳も「少年」として扱われます。

ただし、18歳と19歳の少年は「特定少年」と呼ばれ、17歳以下とは扱いが異なります。

たとえば、重大な事件を起こすと成人と同じような刑事罰が科されることもあります。死刑もあり得るんです。とはいえ、あくまで大人と子どもの中間的な立場として、柔軟に処遇が考えられます。


ふつう大人が犯罪をすると、刑事訴訟法に基づいて警察や裁判所が動き、刑事裁判を通じて刑罰が決まります。でも、少年は体や心がまだ発展の途中にあります。そのため、大人とまったく同じように扱うのはふさわしくないと考えられています

そこで、少年事件は通常の刑事手続きとは違う、少年法という特別なルールに従って処理されるわけです。少年法は、犯罪や非行をした少年に対して立ち直るチャンスを与えるためのルールを定めた法律だとも言えます。


少年法の目的と手続き

少年法のいちばんの目的は、処罰ではありません。少年法第1条には「少年の健全な育成を期すること」が目的として明記されています。


非行をした少年に対しては、少年の性格や家庭環境を考えたうえで、必要な指導や支援をおこないます。こうした働きかけのことを「保護処分」といいます。保護処分は、その少年が社会に適応していけるように手助けするものです。


犯罪をした少年に対しては、まず家庭裁判所が対応します。基本的に事件は家庭裁判所に送られ、裁判をするのではなく少年審判というものによって、警察や家庭裁判所調査官がどんな処分がふさわしいかを判断していきます。

自宅で保護観察を受ける場合もあれば、少年院に送られることもあります。

ただし、重大な事件の場合は検察庁に事件が送られ、刑事裁判を受けることになることもあります。


大人以上に、処罰よりも更生が重視される

「犯罪をしたのだから、大人も子どもも関係なく罰するべき」という意見を目にすることがあります。

たしかに、被害を受けた方にとっては、加害者が何歳であっても、被害そのものは変わりませんよね。その気持ちはよくわかります。

けれど、少年は大人とちがって、まだ未熟です。それゆえに、考え方や行動が変わる可能性をたくさん持っています。これは少年の可塑性(かそせい)と言われますが、柔軟に成長できる余地があり、それを尊重すべきだと考えられているのです。

少年は過ちを犯したとしても、適切なサポートがあれば、大人以上に立ち直って再び社会のなかで誠実に生きていくことができる可能性が高いと考えられています。

そのため、手続きや処分も、少年が社会の中でやり直すために何が必要か、という視点で決められているんですね。


まとめ

少年法は、犯罪や非行をした少年に対して罰を与えるのではなく、立ち直るためのサポートをすることを目的にしている法律です。それゆえ、少年自身の性格や環境を考慮して、大人とは違う手続きで処分が決まります


処罰と保護のバランスを取るのは簡単ではありませんが、未熟な少年にもう一度チャンスを与えることはやっぱり大切なことだという気がします。

だけど、少年だからといって看過できないような凶悪事件もあるし、未熟さゆえに反省が十分だといえるのか疑わしいような事件もありますよね……。


より適切な処分が追求され、少年たちの更生やよりよい未来につながっていくことを願います。