情状酌量って何?−刑法・刑事事件をわかりやすく−

こんにちは。フリーランスのリーガルライター法崎ゆいです。

さまざまなジャンルの法律に関する記事を書くお仕事をしているのですが、なかでも刑事事件について書くことが多いです。

今回は、刑事事件のニュースなどでよく聞く、情状酌量(じょうじょうしゃくりょう)について簡単に解説します。


情状酌量とは

情状酌量(じょうじょうしゃくりょう)と聞くと、なんとなく刑が軽くなるというイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。

刑事裁判で有罪になったとしても、法定刑の重さには幅があります。たとえば拘禁刑3か月以上7年以下などです。実際にどれくらいの長さにするかは、裁判官が決めます

このとき、被告人にとって有利な事情がある場合は刑を軽くすることができます。これが情状酌量です。法律的には酌量減軽と呼ばれます。

たとえば、本人が反省していたり、被害者と示談が済んでいたりすると、有利な情状として考慮されます。

ただし、有利な事情があるからといって減刑しなければならないわけではありません。裁判官が情状を酌む余地があると判断したときにだけ適用されます。


どんなときに情状酌量されるのか

被告人にとって有利な事情があるとして情状酌量の判断材料となる事情には、さまざまなものがあります。具体的には、次のようなものです。

・被告人の年齢や性格
・素直に反省している
・被害弁償が済んでいる
・被害者と示談が成立している
・更生の見込みがある
・信頼できる身元引受人がいる
・再犯の可能性が低い
・自首した
・故意ではなく過失による犯行だった
・単独犯ではなく共犯だった
・武器を使用していない
・計画性があったわけではない
・被害者にも落ち度があった
・犯行動機が私利私欲ではなかった など

この被告人には厳罰を科すよりも、早めの社会復帰を支援したほうがいいと考えられる場合、情状酌量による刑罰の軽減につながりやすいとされています。


情状酌量で、どれくらい刑が軽くなるのか

情状酌量されたとしても、死刑が罰金になるような極端な軽減はありません。法律にはきちんと減刑の幅が決められていて、その範囲内で調整されます。

たとえば、無期拘禁刑が科されるはずの罪なら7年以上の有期拘禁刑に軽減することが可能です。

また、もともと有期拘禁刑だった場合は上限と下限を半分にすることができます。罰金刑だった場合も、金額の上限と下限額を半分にすることができます。

つまり、本来の法定刑が10年以上の拘禁刑だったとすると、情状酌量が認められれば5年以上まで下げることができるのです。


情状酌量を認めてもらうには事情を伝えることが大事

どんなに事情があっても、ただ黙っていては情状酌量が認められることはありません。きちんと主張することが大切です。


たとえば、身元引受人がいるなら裁判で情状証人として証言してもらうとよいでしょう。同居する家族がいるなら、家族に「今後はこういう生活をして、こういう支援をしていく」と具体的な計画を裁判官に伝えてもらいましょう。

また、被害者と示談が成立していてるなら、被害者から「寛大な処分を望む」という書面を提出してもらうことができれば、量刑判断に大きく影響を与えるでしょう。


これらの交渉や準備は弁護士に依頼することが重要です。刑事事件に強い弁護士なら、示談交渉のタイミングや裁判での情状立証など、きちんと計画をして、裁判官に「これは酌むべき事情だ」と思わせるためのサポートをしてくれます。


まとめ

情状酌量は、同情ではなく、具体的に被告人に有利な事情があってはじめて認められるものです。大切なのは、感情論ではなく説得力のある事実を伝えることです。有利な事情をどのようにつくるか、それをどのように伝えるかが結果を左右します。

示談書・謝罪文・情状証人の証言など、何をどのように準備するべきかは、信頼できる弁護士さんに相談してくださいね。